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Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション ac-alive-042 ドリームボディ・アートな自己探求

darksouls1 / Pixabay

Co:さて、ここまでACの(自覚あるなしにかかわらず)力を肯定するセッションについて話してきた。
AC:なんだか、しんどいのか、褒められてるのか、ちょっと不思議な感じです。
Co:悩みや苦しみは成長するシグナルだ!とか言われると、は?ってなるよね。
AC:うーん。全体的には、これでいいのかな?って思うような、、。
Co:そうだ!これでいいのだよ。それで、もう少し混乱させようと思ってるんだ。(笑)
AC:は?
Co:ACとは、治すものではないし、犠牲者でいるためのレッテルでもない。また、複雑性PTSDの影響やパーソナリティ支障なども。
プロセス指向心理学、プロセスワークの創始者のアーノルド・ミンデルは、身体症状は必ずしも病理的ではない、癒やし、抑圧し、治療すべきな単なる病気ではない。病状は潜在的な意味を持ち、目的を持った状態である。人生の始まりや、自身の本質に近づくたびの始まり、人格発達の王道であると述べている。
<参考文献>ドリームボデイワーク 10P

AC:なんだか夢がありますね?
Co:私はこういったコンセプトが気に入っている。クライアントさんとずっとつきあってきて、彼ら彼女らの推移を目撃していると、トラウマ反応に向き合う姿勢に力を感じるし、変化には命の流れ、夢のような輝きすら感じる。ミンデルは「ドリームボディ」と言っている。
AC:(微笑み)ドリームボディ?
Co:ドリームボディとは、自分自身になろうとする力、自己治癒の予感、全体性に向かうサイン、生命の流れ。対人関係の問題、夜見ている夢、繰り返し見る夢、怖い夢、セクシーな夢などに、うつ、不眠症、痛みなどの身体症状などが含まれる。(A,ミンデル,2008)
AC:対人関係の問題も?
Co:そう、夢を見てるんだ。ACとかトラウマ反応による対人関係の歪みやアディクションなどを排除する対象だと捉えるのではなく、精神的成長の過程において、パーソナリティの変容を余儀なくされる自己を自覚し続けるための心身相関的な課題ととらえるんだ。
AC:うーん、ちょっと難しいです。
Co:うん、誰しもが通る、人間が成長するときの課題
AC:なるほど。
Co:米国トラウマ治療の研究者のヴァンデコークは、トラウマは人間の危うさや、残酷さを突きつけるが、同時に人間のレジリエンス(回復力)を見せつける。クライアントさんの多くは想像もつかないほどの力で生き延びてきた。彼らの症状は彼らの力でもあると述べているんだ。
Co:だから、能動的にチケットを持って、自覚している人のほうが断然有利でしょ?
AC:お得なんですね。
Co:こうした先人のコンセプトによれば、AC、複雑性PTSDへのサポートは、主訴の解消に加えて、ドリームボディのプロセスを理解し変容過程を共に経過して、パーソナリティの変容をサポートするようなアプローチが必然となるだろう。
AC:なんだか、わくわくしてきました。
Co:私のクライアントの中には、カウンセリングとグループワークを5年続けて、新しい自己を育み対人関係を改善させ、現在カウンセラーになることを目指して研鑽を積んでいる事例もある。

<参考文献>
アーノルド・ミンデル著:高岡よし子、伊藤雄二郎訳 ドリームボデイ・ワーク 春秋社 1994.
ベッセル・ヴァン・デア・コーク著, 柴田訳:身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法,シナノパブリッシングプレス,2016.

2020.9.8

 

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