臨床心理学の視点では、感情とは生理現象及び身体感覚と考えます。
例えば、過干渉・無関心な母親、冷たい夫婦関係、家庭に蔓延していた世間体などを気づかって言えない言葉、感じてはいけないと塞いでいた感情があったと仮定します。
自分の感情に触れずに家族や社会に適応しようとする努力は、思春期以降、人間関係や恋愛関係などの他者との親密性に関連する場面で支障を感じてしまうかもしれません。また、相手の心配ばかりして、自分がわからなくなることもあるかもしれません。
いっしょうけんめい、学業や仕事、生活にがんばって、ふと、くたくたになって、立ち止まった時に、忘れていた感情に触れそうになることがあります。
怒りや悲しさ、親密になりたい気持ちなどにいったん触れてしまえば、それは底なしなのではないかと、恐怖を感じてしまうことがあるかも知れません。
長い間、自分の中に抱え込んでいた感情・身体感覚を恐れてしまうのは無理もありません。
ほんとうの感情を感じることに対して恐怖や不安をおぼえてしまう理由のひとつは、感情と行動を同一のものと捉えていることがあげられます。
感情と行動は別個のものです。行動とは、受け入れられないものもありますが、感情とは範囲外になることはありません。
カウンセリングやワークでは特にこの点に配慮をします。
ただ単に、怒りをコントロールすることを学ぶだけではなく、背景にあるお気持ちを紐解く作業はとても大切なのです。
感情の力とは、ほんとうの自分になるための重要な力と言えるのです。
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今、起こっていることには意味がある、困難は個性化のプロセスでしかない、 逆境は「自分の専門家」になるプロセス。 現代社会がどんなに矛盾にみちているとしても、人は必ず、 自分らしく生きる意味を見つけることができると私は信じています。
家族とAC研究室 2021.2