オンライン小説『リバウンド』rebound-041    レナリバウンド爆発。

レナは少し帰宅が遅くなった。
まあ父親も母親もいるはずがないから。家のことをしに来てくれているフミおばさんがキッチンで夕食を作っていた。ごぅぅぅっと、換気扇の音がする。何か声をかけられたような気がしたがまっすぐ2階の自分の部屋に行き鍵を閉めた。中2の夏はじめて自販機でメントールのタバコを買ってカバンに入れて持ってきたような感じでなんだか悪いことをしているようでどきどきしたが、実際には病院に行って薬をもらってきただけ。『セラ』を止めるという期待で、飲んだ事はないがまるで新しいドラッグをやるような気がして興奮した。
手提げ袋から薬を全部だして、処方箋を見ながら1回に飲むグループに分けた。めっちゃ多い。これだけでお腹いっぱいになるじゃん。1週間分ぐらいずつ小分けにして小さなビニール袋に入れた。今晩からレナは『セラ』を止めると決めた。日焼けマッシュルームは顔から止めてと言っていたが、どうせなら今日から全部やめて早く治そう。自分が『ワイプ』らしいこと、小学5年生の頃から『セラ』を飲んだり塗ったりしてきたこと全部、母親も父親も知らない。いつも玄関からまっすぐに階段を上がって自分の部屋に入る。小さいけどお風呂もトイレも部屋にあるしお湯を沸かしてカップヌードルもつくれる。

『セラ』を止め、日焼けマッシュルームの14種類の薬を飲んでベッドに入った。冬休みまで2週間ぐらいだったし、このまま冬休みに入ってしまえば少しぐらい悪くなっても家にじっとしてればいい。休み明けにはなんとかなるわ。と思っていると急に暗闇にずるずると引きずり込まれた。
夢を見ていた。レナは白衣を着ている医者。若い女の患者に手を焼いている。看護師はだいじょうぶですもしあばれたら拘束具をつけますと言っている。そして、薬を飲ませているから朝まで起きませんと言った。レナはこの看護師は何もわかってないと思っているが帰宅する。夜、患者の女が部屋に来た。彼女の様子から看護師を殺したことを知っている。彼女は自分の腕をつかんでいる。彼女の手はぎざぎざではなすことができない。離して。私は悪くない。目があかない。顔を触ってみるとずるりとぬれてすべった。何かの汁が流れていて、かさぶたがかぴかぴになり枕に頬がくっついていた。炎がすぐそこにあるかのように顔が熱い。鉄さびのようなにおいがした。まつげに汁ががびがびと固まっていて、目をあけることができない。手で目をこすろうとしたらぬるりとすべった。血?ふとんをはぐとパジャマがじっとりぬれていた。信じられないぐらい自分が不快で、意味がわからない。まつげの隙間から少し光を見つけてバスルームまで歩く。腕、足、膝の関節の裏側、首、背中のヒフというヒフがひきつって痛みが走った。レナは絶叫した。反射的に唇をかんで2回目の絶叫をふせぎ手探りで洗面台の前まで行った。蛇口をさぐりあてるとひねる。指に水をつけてまつげのかさぶたを流す。
レナは鏡を見てそのまま意識を失った。顔にはヒフがなく赤い筋肉が露出していた。

2020.10.28

 

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