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見捨てられ不安 ac-alive-012

Alberto_Fabregas / Pixabay

恋人と親密になりたいとは自然なことである。あなたと恋人は、まるで映画のような展開で距離が縮まり深い関わりとなったこともあっただろう。どこへいくのも、何をするのもいっしょに、というような関係になった。でも、時間が経つに連れ、
「なんですぐにメールの返信をしてくれないの?」
「日曜日は会えるって言ったじゃん!」
「こんなに好きなのに、どうしてわかってくれないの!」
と激しい感情をぶつけてしまうこともあったかも知れない。

また、職場の上司からの評価を受け取ることができず、
「こんなに頑張っているのにどうしてわかってくれないんだ!だったらこっちから辞めてやる。」というようなパターンをなんども繰り返したかも知れない。

見捨てられ不安とは、例えば、とても強く好かれたい気持ちと、拒絶されたら耐えられない、だから先にこっちから嫌いになってやる。というような極端な人間関係のパターンをつくる。
子供時代に親や養育者に、受け入れてもらえるはずだった健康的な怒りや不満の感情をぐっとこらえて飲み込んできたことによる心の反応と言える。この反応は特に思春期以降、他者と親密な関係を創ろうとするときに混乱した感情として現れ対人関係に大きく影響することがある。

Co:愛されたいんだけど、健康的なほどほどな愛され方がわからないから怖いんだね。ひとたび、少しでも拒絶されたら、すべてを否定されたような気分になり立ち直れないと。
AC:うー、だって恋人に否定されたら死にたくなりますよ。
Co:どうしてよ?
AC:うー、だって、わかってほしいもの。
Co:何を?
AC:何をって!私をです。恋人にはすべてわかってほしいもの!
Co:人は他者のすべてをわかるものなのかな?
AC:え?そういうもんでしょ?
Co:恋人っていったって、ただの他者でしょ?「いま、どんな気分なの?」
AC:うー、。(むっとしている。どうしてわかってくれないの!)
Co:うん。ほんとうはさあ、その気持は誰に向けたかったんだと思う?
AC:え?恋人でしょ?
Co:似てるけど、。(首をふる)、他には?
AC:え、?
Co:ものすごく不安で、怒ってて、。その気持を、そのまま受け止めてほしくてしょうがなかったけど、受け止めてもらえなかった人って誰が思いつく?
AC:・・・あっ、。(気づいたようだが、言えない)

子どもは親や養育者に、怒りや不満、疑いの気持ちを言葉にできないことがある。例えば、「お父さん、もうお酒を飲んでどなるのをやめて!怖い!」
「お母さんが(夫婦関係、感情の不安定など)心配で、学校に行けない!」
「私はピアノがあまり好きじゃはないの、本を読みたいの」
子どもは、もし、私が怒ったら、関心を向けてもらえなくなる、捨てられてしまう。だから、絶対に言ってはいけない、と言葉や感情を飲み込んでなかったことにしてしまう。そうすると、「お父さんが不機嫌なのは、私が良い子じゃないからだ」
「お母さんの不機嫌は、私が治さなくてはいけない」と自責の念を持ってしまうこともある。
無意識の領域で行われる、心的防衛メカニズムのなせるわざなのです。
ほんとうの私を知ってしまったらきっとこの人は私を捨ててしまうだろう。だから、見捨てられる前にこちらから関係を切ってしまう、はんたいに、親密になりそうな相手を試すようにとことん怒らせ関係を相手の方から切らせてしまうこともある。
または、見捨てられないために、なりふり構わず関係を続けるためにべったりとした世話焼きに終始するといった巧妙な行動に表れることもある。
別の例では、適度な信頼関係のなかで耳の痛い指摘を受け入れられず、回避して、引きこもってしまうケースもある。
相手は振り回されて混乱し疲れるのだが、本人もこりごりしてる。でも、やめられない。

Co:いま、どんな気分?
AC:ちょっと落ち着きました。
Co:どんな自分に気がついた?
AC:明石さんにすごく怒りの気持ちが湧きました。ぐーっと。
Co:うん。それでいいんだよ。
AC:はあ~。なんか恥ずかしいような。
Co:怒りや不満、疑いの気持ちなどを持つことは健康的だし、自然なことなんだ。でも、そういう気持ちは言えなかったから、持ってはいけない感情だとインストールされてる。
AC:・・・持ってはいけない、感じてもいけないと思ってました。
Co:そう。もし、感じたら?
AC:あー、・・・言いたくないです。(見捨てられる)
Co:そうだね。親密な関係で情緒の交流が起こると、この人は、ほんとうの自分を受け入れてくれるんだろうか?と。ものすごく怒りがあるこの私を!と。ものすごく不安になるし、恥ずかしい。そして、そのことを気づいてくれない!と、。怒ってる。
AC:自分のほんとうの気持ちを話すなんて、とんでもない。本当の気持を話すとこの人に軽蔑されてしまう、嫌われてしまう、離れていく、。だから、絶対に本当の気持ちは、ばれてはいけないと思ってました。
Co:そうだね。おつかれさま。
AC:えーなにそれ(怒、笑)

2021.8

pixel2013 / Pixabay

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