アダルト・チルドレンを再考する。
「自分が誰なのわからない」「本当の自分がわからない、ほんとうの自分を探したい」「強い怒りや孤独を感じている」「良い子、良い人に疲れている」などなど長い間、生きづらさを抱えて、相談やケアにつながらず、ひとりで抱えている。また、医療機関で「アダルト・チルドレン(AC)は治療ができない」と言われたり、家族には「甘えているだけだ」と言われてカウンセリングにつながる方が少なくありません。
アダルト・チルドレン(AC)という概念は臨床現場でも誤解を受けていることがあります。例えば、PTSDということばは大きな災害等に関連して耳にすることがありますが、“複合型(複雑性)PTSDによるトラウマ(心的外傷)反応”などは診断基準として記載されていません。
アダルト・チルドレン(AC)という概念は精神医学の診断名でもないし、欠陥や障害や劣等感をあらわす言葉ではありません。人を誹謗中傷するためのレッテルでもありません。自分の生きづらさの理由を自分なりに理解しようと務める人がたどりつくひとつの自覚です。この自覚を用いて、より豊かで自由な自己をつくり、自己を保護するのです。<参考文献>斉藤学(1996)アダルト・チルドレンと家族 学陽書房
アダルト・チルドレン(AC)カウンセリング概要:
基本コンセプト:
アダルト・チルドレン(AC)カウンセリングでは、ご相談者さんのご依頼は多岐にわたります。それゆえ特定の臨床心理学理論、精神医学理論にそっておこなわなければいけないということはありません。ご相談者のご依頼内容に合わせて進め方、枠組み、技法、変化の目標などを話し合いながらすすめていきます。家族とAC研究室のセラピスト/臨床心理士は、精神力動的療法、PIAS(逆説的家族療法)、ゲシュタルト・セラピー、プロセスワーク、トランスパーソナルセラピーのトレーニングを日々積んでおります。
個人セッション:
セッションでは、まずはじめに安全の確保、現実検討をとりあつかいます。もしあなたが何かに悩み生きづらさや症状があるとしても、それは、誰に向けられたどんなメッセージであるかを共に検討するところからはじめます。
複雑性PTSDへのアプローチ:
私たちは自分自身あるいは自分の身体感覚・感情を十分には信じず、自分の自然な流れに従おうとはしなきかもしれません。私たちは自分が見たり、聞いたり、感じたりしているものや、どんなふうに自分が動き、関係し、世界を体験しているかを、あまり尊重していない。そのために、自分がいつも批判されたり、愛されていないように感じる人が大勢いるのも、不思議ではありません。
自分自身の個性化のプロセスに従うことができずに、そのかわりに、我慢できなくなるまで自分自身にプログラムを当てはめていくのです。(参考文献:アーノルド&エイミーミンデル 富見幸雄・青木聡訳(1999)うしろ向きに馬に乗る プロセスワークの理論と実践 春秋社)
また、私たちは長いこと、自分の感情をに触れずにいることがあります。そうやって家族や社会に適応してきたのかもしれない。へとへとになったり、眠れなくなったり、ほんとうの自分とは何なのだ?などと立ち止まった時に、忘れていた感情に触れそうになる。
でも、自分の中に抱え込んでいた感情を恐れてしまう。いったん触れてしまえば底なしなのではないかと、恐怖を感じてしまうことがある。
それは無理も無いことであるし、自分を取り戻す機会でもあるといえます。
感情(Feeling)は単なる考えや信念とは違う。体が関与しているために知的活動以上のものでり、身体活動とその知覚という2つの要素から成り立っている。それゆえ、感情は心と体を一つにし、意識を身体活動と結びつける力とみることができるのです。(参考文献:Alexander Lowen 1994 村西詔司・国永史子訳 からだのスピリチュアリティ 春秋社)
心とは体の一部なのだから身体感覚から愛おしんでみるのも良いかもしれないのです。ACの自覚とはあなたの力をとりもどすプロセスなのです。
個人セッションと統合的グループワークの併用
統合的グループワークとは、
1,沸き起こる、すべてのシグナルを「ドリームボディ」として、その人自身の統合へ向かう機会とするというアートなセラピーの側面。社会の影、家族の影などの相対性とワークする。
2,長期反復的な目に見えない虐待、搾取をうけてきたことによる、複雑性PTSDのセラピーという臨床的な側面。精神力動的療法にゲシュタルト・セラピー、プロセスワーク、トランスパーソナルセラピー等の本質の統合を試みる実践です。夢、身体症状、ドリームボディへのアプローチを行い断片化された自己、心身の統合を目指します。
*ドリームボディとは、自分自身になろうとする力、治療的微細な予感、全体性に向かうサイン、生命の流れ、命のシグナル。それには、夢(夜見ている夢、繰り返し見る夢、怖い夢、セクシーな夢、など)と身体で見ている夢(身体のシグナル、違和感、こり、つかえ、身体症状、不眠症などなどが含まれます。
個人セッションではTHとの関係性を通して想起と服喪追悼をあつかいながら主訴の一定の解消を目指します。個人セッションがすすむにつれ、他者や自分との関係性の育て直しや現実社会との接地の検討、また、「私とは誰で、なんのために生きているのだ」など実存的な課題に変容し、「人間の不都合な部分を修正する」などの枠組みにとらわれない治療的変化の多様性にいきつきます。
日常社会への接地の再検討:
自分マーケティング研究会、統合的グループワーク研究会では、自分と仕事との関係について定期的なミーティング、ワークを通して探求をつづけます。
これまでの検討では、併用を継続したケースには、例えば、断片的な自己のまとまりや、感情表出の調整などが見られ、相乗的な進捗があると体験しています。
このような方へ、どなたでも!
・いつも、どこか生きづらいと感じている
・怒りや悲しみがあり孤独を感じている
・批判されたり愛されていないように感じる
・頭ではわかっているけれどやめられない、アディクション、依存がある
・対人関係がうまくいかない
・慢性的な身体症状、腰痛、首の痛み、耳鳴り、うつ、不眠症などがある
・悪夢をよくみる、夢に関心がある
・突っ走るように生きているけれど本当は何をしたいのかわからない。でも、何かしたいと感じている
・統合的なカウンセリング、グループワークに関心がある
などどなたでも。
目的、期待できる効果
・自分の内面にある“力”に気づき、あなたらしい生き方を目指す機会の創造
・心と身体は一つである心身統合体験
・対人関係が楽になる
・他者や自分との関係性の育て直し、親密性、愛情、喜びの創造機会
・「私とは誰で、なんのために生きているのだ」など実存的な自覚
・夢、身体症状が教えてくれるメッセージを成長の機会とする
・自分を観察できる自己の自覚
しないこと:
←ご相談内容をひとつの臨床心理学、精神医学らにあてはめること
←狭義の「回復」の枠にとらわれること
←変化の力をカウンセラーに依存させること
アダルト・チルドレン(AC)カウンセリングの進行・プロセス
初回面接 | 自傷、他害の可能性、本人の自覚、家族の安定性・心理療法への協力など |
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医療の必要性確認 | 身体症状の有無、恐怖、強い不安、攻撃性、フラッシュバック、幻覚等精神病症状の有無と現実検討の程度 →医療の必要性がある場合はリファーします。 |
当面の目標・期日設定 | 例)半年以内に◯◯◯できるようになること |
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個人セッション: 1stステージ |
自分について語る。現在自分に起こっている出来事を一緒に探ります |
個人セッション: 2ndステージ |
家族について語ります。心理学家計図(ジェノグラム)の作成 家族の中心となっている固有のコミニケーションパターンを一緒に探ります。 |
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個人セッション : 3thステージ |
どのように自分の症状行動パターン、家族のコミニケーションパターンを変化させるか一緒に考えて行きます。適切な感情表出を通じて、認知のゆがみ修正、行動療法的にパターンに介入していきます。 |
ACグループワーク 統合的グループワーク |
グループの聞き手に向けて、生きづらさ、苦悩について語ります。共感を持って聞いてもらえるという、他者への信頼、深い情緒交流が生まれます。今までの自己処罰的なモノローグ→ダイヤローグ(対話へ)変化していきます。 社会の影、家族の影、夢、身体症状などの相対性とワークします。精神力動的療法にゲシュタルト・セラピー、プロセスワーク、トランスパーソナルセラピー等の本質の統合を試みる実践です。夢、身体症状、ドリームボディへのアプローチを行い断片化された自己、心身の統合を目指します。 |
個人セッション: 4thステージ |
グループワークの振り返り、目標設定の修正、反応,変化を一緒に検討していきます。 |
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日常生活への統合 |
定期的なグループへの参加を通して、Thと参加者同士の情緒、言語・非言語相互交流を促進し、自己理解や他者理解を促す機会をつづけます。犠牲者から生存者へ、生存者から自分自身の専門家へ |
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費用と期間など目安 | 個人セッション 50分 :13,500円 夫婦・家族セッション 50分:18,500円 *お客様の状況、カウンセリングの進行に合わせて、回数と費用を調整しご提案していきます。 例) 悲嘆の回想カウンセリング:月/6回 11,800円 6ヶ月 仕事休職中のカウンセリング:月/4回 12,800円 12ヶ月 AC回復後、自立のためのカウンセリング:月/2回 13,500円 |