ずっと、突っ走るように生きてきて疲れ果てた。
家族や学校、職場にずっと違和感があった。
自分の居場所がわからず孤独を感じていた。
いつも手に負えない怒りや悲しみを抱えていた。
誰にも愛されていないと感じていた。だから、恋人とトラブルを繰り返した。
誰かのために何かをしていないと不安でしょうがなかった。
自己啓発の本を何冊も読んだが、どれも自分のことではないと思った。
気がつくとスリリングな状況に陥っていた。
首や肩、腰、喉、胃などに慢性的に痛みがある。
頭痛、ヘルペス、不眠症など身体症状が続いている。
くりかえし同じような夢、悪夢を見る。
頭ではわかっているけどやめられないことがある。
変わりたいけど何をしたいのかわからない。
あなたは、既に何度も体験しているのかも知れない。
「もう、良い人なんかやってられない!」
「家族や社会の期待に応えることはできない!」と。
例えば、良い人になれない自分には「問題」がある、そんな自分は誰にも受け入れてもらえない、だめな人間なんだと言い聞かせていた。だから、どうにかして期待に応えなくてはいけないと、あなたはこれまで何度も期待に応えようとした。
必死で良い人でいようとするがあまりに、不適切な人間関係を続けたり、お酒や買い物、スマホゲームにのめり込んだりと、結果的に自分が誰で何を求めているのかわからなくなったかもしれない。対人関係のトラブルやうつ症状、感情の爆発、引きこもりなどを何度も体験したかもしれない。
病院に行くと決まり文句と共に薬が出るが飲む気にならない。彼は私のどこを見てうつと判断したのだろうと不信感がつのる。カウンセラーはあなたをまるで「問題」あつかいして心理検査や事情聴取を繰り返す。
あげくの果てに、問題はあなたにあるのだと、聞いてもいないとんちんかんなアドバイスをありがたく聞かなくてはいけない体験をしたかもしれない。
「そんなんで、私の何がわかるというのだ!」
「そんな場所になんかに二度と行きたくない。」
あなたが今日までそう思っていても、無理もない。
AC:「もう、どうしたらいいのかわからないんです。」
Co:「もうすこし聞かせてください。」
AC:「なにやってもうまくいかなくて、いつも人間関係で大失敗してしまうんです。」
Co:「どんな気持ちになるのかな?」
AC:「もう、良い人でいいるのに疲れました。」
Co:「どんなことがあったのですか?」
AC:「私は、ずっといっしょうけんめい生きてきたんです。学校でも、会社でも、結婚生活でも、。でも、気がつくといつもひとりぼっちなんです。もう苦しくて。ずっと体調も悪いんです。首や腰が痛くて。最近では、子どもとどう接していいのかわからなくて、。こんな私はどこかおかしいのでしょうか?」
Co:「いいえ。今日はお越しいただいてとても嬉しく思います。どうしてそう思われたのかお話を聞かせてくださいね。」
AC:「・・・ネットでアダルト・チルドレン(以下:AC)と言う言葉を知って、とりあえずここに来てみたんです。ACとは障害なんですか?だとしたら、どうやって治したらいいんですか?情報がありすぎてわからないんです!」Co:「なかには誤解を招くような情報もあるようですね。」
AC:「・・・あのー、私はへんなのですか?」
Co:「今日は、あなたがここまで生き延びてきた力についてゆっくりとお話を伺って、いただいたご質問にお応えしようと思います。」
AC:「え?」
Co:「あなたはどんな力を使ってこれまで生き延びて来られたのでしょうか?」
AC:「・・・いや、あの、ふつうに、、、。とにかくたいへんだったんです!」
ACの生きる力を肯定しようとするセッションの様子だ。クライアントさんの感情と体験は全面的に肯定される。あなたのこれまでのカウンセリングのイメージとはだいぶ異なると思う。
ACの生きる力を肯定する会話では、あなたが問題なのではない、問題が問題なのだ。1)
あなたがの悩みや苦しみの体験、身体症状などは、あなたが変化するのための大切な課題であるととらえて、あなたが本来持っている「力」を共に見つけるのです。
2021.6
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