Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-049   自分との関係性。

嗜癖(アディクション)とは、薬物、アルコールなどの薬物依存、ギャンブル、万引きなどの行動嗜癖、共依存などの人間関係嗜癖のおおまかに3つに分けられている。
近年、精神医療に携わる専門家らは、トラウマへの対処としての嗜癖(アディクション)の状態を自己治癒の力と捉えている。
ACの苦難とは、原家族由来の傷を克服しょうとして、周囲の他者と良くつながろうとする人間関係(自己治癒)に邁進するがあまり、嗜癖(アディクション)の状態に陥り、ついには自分自身との関係の破綻につながることもある。
でも、生き延びてきた力とは自己治癒でもあるので、なかなか変化することが難しい。

AC:自分との関係?
Co:そうだ。生き延びてきた、これまでの「私」への固着、執着。
AC:えーと、例えば、?
Co:いい人、強い人、。
AC:うあー。わたし?
Co:いい妻であること、良い母であることに執着しすぎてしまう。それは、生き延びるためだけど。
AC:そうじゃなきゃ生きていてはいけないと思っていました。
Co:これまで、その信念、感覚は、自己治癒そのものだったわけだが、大人の力をもったあなたには、もう必要がないかもしれないんだ。でも、なかなか手放せない。
AC:うーん、あたまではわかっているつもりなんですけど。
Co:過去の自己治癒だったやり方が、現在の自分自身の成長や変化の支障になることがあるんだ。また、目に見える嗜癖の変化は自分も周囲もわかりやすいが、自分との関係性、例えば、「自分は良い人」というひとつの関係性はなかなか手放すのが難しい。

ひとつのケースをシェアしよう。
何度かバーンアウトした経験のある経営者の40代の男性のケースだ。
彼は、家族も持ったことがきっかけで、もう、倒れるわけにはいかないとカウンセリングを受けることにした。元来クレバーな彼は、どんどん気づきが深まり、「自分を知る」探求がすすんだ。数カ月後には、仕事を休んで自分の時間がもてるようになってきたと話すようになった。自身の思考や感情、身体に必要以上に負担をかけない選択をすることができるようになってきたと。
でも、今度は、その分、「余白」を持て余していることに気が付き始めた。例えば、休みの日、何をしたら良いのかわからなくて、そわそわしてしまうと。
Co:ここをエッジというんだ。
AC:エッジってなんですか?
Co:エッジとは、ひとつの知覚チャンネル、たとえば思考での <気づきの限界点> だ。(ミンデル、2016)
彼は、いつでもおおくの仕事をやり遂げられる自分というアイデンティティ(自我同一性)に執着があったわけだ。身体を無視して。それゆえに、
「仕事をしていない自分とはだめだ、存在しない」という限界点を持っていたかもしれない。
AC:じゃあ、また仕事をたくさんしちゃうかも? だって、つらいでしょ、自分が存在しないなんて。
Co:そうだ。だからカウンセラーは、エッジの出現に耳を澄ましている。エッジに到達したということは変化のチャンスだからね。
AC:チャンス?
Co:エッジとは、ひとつの知覚チャンネルの限界点だから、チャンネルを変化させるのに最適な機会なんだ。例えば、思考だけを使うことに行き詰まってるわけだから。どうすればいいと思う?
AC:えーと、思考だけを使って、倒れるまで仕事するわけだから、身体や感情のチャンネルに意識をむけるとか?
Co:その通りだ!他人のことはよくわかるよね。
AC:褒められてますか?なんだか、腹が立ちますが。
Co:ごめんごめん。さて、カウンセリングやワークで、こういった場面では、
「仕事ができないと思われているのはどんな感じがしますか?」と聞くことがあります。
準備ができれば、エッジにひそむ人物、事象と会話することができる。
「だめなやつと思われたくない!」
「生きている意味がない。」
「そんなの自分ではない」
ということは、仕事に多くの賞賛を求めていたということに気がつくだろう。
「あなたのおかげで助かった!」「ありがとう、あなた良い人だ。」
さらに、仕事だけではなくて、おおくの関係性に「賞賛」を求めていることに気づくかもしれない。
AC:そうだとすれば、仕事が自己治癒になっているかぎり、やめられない?
Co:倒れても、倒れても。
AC:うー、しんどい人生。
Co:エッジを覚えてる?
AC:はい。「余白」を持てあまして、そわそわしている?
Co:そう、そこのエッジをワークをすすめるんだ。「余白」とは何を連想する?そわそわするってどんな気分になる? と。
たぶん、そこには、自分のために、自分のケアのために何をしていいのかわからない。自分を大切にすると誰かに怒られる。などの、彼にとって大切な感情が潜んでいるかもしれない。それらを、健康な自己愛というんだ。なんらかのことがあって、たぶん原家族だと思うが、自分を大切にすることを後回しにする必要があったかもしれない。
なので、彼の今度のワークポイントは、それらの回想、悲嘆を深めて、自分の存在を十分に受け取ることにテーマがあるだろう。
いままで、排除していた自分に共感をすることだ。
AC:自分に共感?
Co:自分の中の排除せざるを得なかった自分に。そうすることで、自分との関係性が変化していく。
AC:あー、そうすることが、自分の専門家になることなんですね。
Co:そうだね。病気とはエッジにとどまっている状態と定義すると。(ミンデル、2016)
例えば、彼がワーカホリック、バーンアウトをつくるには、「自分の存在を大切にすること」に抗い続けて、賞賛されるために仕事をし続ければいい。
AC:そんな言い方しなくても、、。
Co:病気を創れるやり方を知ると、。乗り越えるやり方を知ることがでいるだろ?
AC:あ!

2020.9.24

 

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