Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-054   傷ついた自己愛に気づく。

Co:自分の専門家になる冒険では、過去や現在の苦しみや困難の経験を「いま、ここ」で体験し現在の自分のものとして着物を織りなしていく作業がおこなわれるのだが、すこし混乱することがあるかもしれない。
AC:どんな混乱ですか?
Co:大きく傷ついていたことを受けとめると、その年頃に得るはずだった時間や体験を想い、親への怒りや不満、できなかったことへの後悔などで自己愛の傷が大きく肥大することがあるんだ。
私は、大事なものを欠損していたんだ、だから、一刻も早く取りもどさなくてはいけない!と。
(死にたいくらいのさみしさ解消するために)私をもっと、もっと、もっと愛して!
(仕事や経済的な不安を解消するには)収入が高い人と結婚して家を買わなくては幸せになれない。
(自分をよく見せるには)高級なブランド品を買わなくてはいけない。
(絶対的な安心をえるには)資格をいくつもとらなくてはいけない。
(つらかった時間を帳消しにするには)事業で成功しなくてはいけない。
(つらかった体験をやり直すには)家族とは幸せでなくてはいけない。
つまり、自分自身の内面の探求し、自分の中にある力を見つける道のりではなくて、自分以外の対象や他者に「機能」を求め、自分自身を「完璧」にしようと邁進してしまうんだ。だから、自分や他者に共感する関係をつくるのではなく、より効果的に利益を得るために「利用」してしまうだろう。
AC:はー、どうしてですか?
Co:この段階では、自己愛を健康に回復するためにカウンセリングがまだ必要なのだが、自分の傷つき体験が卑しいものだと認知していて、極端に言うと、自分は汚れていいるのだから、とにかく早く理想に近づかなくてはならない、だから一刻も早く、外から「機能」を取り込んで解消しないといけない!と。
AC:ちょっとわかります。
Co:でも、外から得たものでは、自身の内面は満たされないので、次から次に、取り込まなくてはいけないと強迫的になるし、対人関係では、もっと、もっと、もっと、愛情、情緒を頂戴!頂戴!頂戴!となる。
AC:ひゃー。
Co:私の不安や不満、怒りは、そんなものじゃ潤えないのだ。そんな程度の質と量では補えないのだ。ふざけるな!と。
AC:うー、痛いほどわかります。
Co:一秒でもはやく不安、不満、怒りをなんとかしたい。
AC:ワーカーホリックは?
Co:あっ、良い質問だね。同じような機序が働いているね。回復期の「さみしさ」を味わい、「いま、ここ」で生きている手応えを享受することがとても大事なのだが、
トラウマの後遺症で、生きている手応えとは、いま、ここにはなくて、目の前の課題を終えた時に、生きているという幸せがやってくると思い込んでいる。
この仕事が終わったら、この資格をとったら、事業が成功したら、あなたが愛してくれたら、結婚したら、昇進したら、独立したら、幸せになるのだと。
AC:キリがないんですね。
Co:仮に、得ても得ても、虚しく不毛な時間となるのかもしれない。カウンセラーとともにこの過程に気づきをむけて、他者や他の機能を取り込んで、自分を「完璧」にすることではなく、自分とは誰で、それを探求することが内面にあるあなたの力に気づくことになるプロセスになると良いね。
AC:はー、なるほど。

2020.10.2

 

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