Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-051   エッジを味わう。

AC:じゃあ、どんどんエッジととりくめばいいのでは?
Co:そういうわけでもないんだ。まあ、ACの力とは、がんばる力でもあるからそう思うのも無理もない。これまで長い間つらい体験をしていればなおさらそう思うだろう。
ときには、エッジを十分に味わう時間が必要なんだ。
いままで自分や自分の人生に対してどんな対処をしてきたのか、自分自身をどのようにあつかってきたのかを自覚と共に体験することだ。
AC:エッジにいると、病気になるのでは?
Co:そうだが、自覚的に過ごせばそんなにひどいことにはならない。例えば、私には不眠症という症状があるが、ただ、それを嘆くばかりでなく自覚していくと、
あーあんなことやこんなことばっかりやるから不眠症になるんだなー、無理もないなーとエッジとつきあうことができる。
AC:あー、それでまた自分を知ることができる?
Co:そうだ。これまで使っていた力の特性や加減、無力さを知ることができる。私のケースでは、私とは感情労働をすることが得意らしいが、あまり他者につかってばあkりいると自分に使う分の感情が枯渇してしまう。という自分の特性がわかる。そうすると、感情労働をする際に、コントロールすることができるようになる。つかったり、つかわなかったり、あきらめたりと。
AC:へー。
Co:だから、私はクライアントさんから、
「なんだかばかばかしくなってきました。」
「どうしたらよいかわかりません」というような言葉が聞こえるのを楽しみにしている。
AC:は? やる気ないのでは?
Co:そうじゃないんだ。その逆だ。いままで使ってきた自己治癒の力、アディクションなどがばかばかしくなってきたんだ。
例えば、アルコールに頼っていた男性は、自分の本質の怒りや悲しみに気づいてくると、それらはアルコールをいくら飲んでも解消できるものではないし、だいたい、もう酔っ払っていても楽しくないし、お金もかかるし、もうお酒が美味しくない~と気づくかもしれない。でも、いままで自己治癒につかってきたものだから、それを手放したらどんな自分でいていいのかわからない嘆く。
AC:お酒をやめれるかもしれないのに、うーん、どうしたらいいのかわからない?
Co:そうだね。まさに、冒険になる。(笑)
AC:笑い事ではないのでは?
Co:あはは、ごめんごめん。こういう変化を目撃している時、カウンセラーは面白がることが大事なんだ。もちろん、彼にとってアルコール依存はたいへんな問題だということには共感するが、それ以上に、いま彼が向き合っている彼の、例えば、悲嘆と怒りと絶望が織りなす人生物語にとても関心がある。これからどんなふうにお酒とつきあっていくのだろうか?これからどんな自分を見つけていくのだろうか?
そこには、世間的な正解や成功はまったく関係なく、彼の人生の悲しみや苦しみや喜びががあるのだろう、と。
AC:ふーん。
Co:例えばね、
「まるで着ている服が、からだに小さすぎて窮屈でイライラするよな気持ちです。」
「いままで見えなかった色が見えます。桜ってこんなにきれいなものだったんだ。」
「今日の空は、泣いているようで、晴れ間もあります、どちらもあるのですね。」
「ものすごく寂しいです。人生ではじめて落ち込んだような気がします。」
というように言葉が変化してくる。カウンセラーは、これらの変化を敏感に聞いている。
ここまでよくがんばったな、あなたの人生の旅がはじまるなと。
AC:そんな風に思ってるんですか?
Co:そう。人生の本質、苦難や喜びに触れるような体験だ。だからクライアントさんの姿勢に勇気をもらえる。
AC:なんか少し嬉しいです。
Co:そう言ってくれてありがとう。

2020.9.29

 

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