Co:(コンセプト1は、)「問題」が問題なのである。あなたが問題なのではない。問題とあなたの関係が問題なのである。(White&Epston 引用)彼にとっては、喘息が問題なのではなく、セラピストが、喘息と彼との関係性の問題にアプローチした例だ。
AC:とてもおもしろいです。
Co:自分の人生やアイデンティティの中心にあると考えている「問題」は,外在化されると変化するというコンセプトだ。彼は喘息の犠牲者?
AC:まったく違いますね。むしろ、彼は喘息の子どもたちに希望を与えることができる、なんていうか、貴重な先輩に変化するのだと思います。
Co:そうだね。唯一の。
さて、もうひとつ、コンセプトを紹介する。
「これまで誰よりも悩んだこと、苦労したことなど、過去であれ現在であれ、問題を経験した人々は、同じような状況に立たされた人々を援助できるような特別な体験、スキルを持っている。」(Morgan,2000小森他訳2003)
AC:喘息の彼がそうなったように?
Co:そうだ。
これまでの「問題」を中心としたストーリーから、生き延びてきた力に着目しするんだ。
AC:もしかして、ACの生きる力?
Co:そう。ACの生きる力とはどういうもの?
AC:・・・怒り、共依存、仕事依存、アディクション、身体症状や病気などなど?なんCo:そうだね、そこに「自分の専門性がある」
AC:誰よりも悩んだり苦しんだりしたこと
Co:そう。ちょっと素敵な詩を紹介する。
わたしはわたし。
あなたはあなた。
わたしはあなたの期待に応えるためにこの世に生きているわけではない。
あなたはわたしの期待に応えるためにこの世に生きているわけではない。
わたしはわたし、あなたはあなた。
もし、出会えたなら、それはすばらしいこと。
出会えなければ、それも同じようにすばらしいこと。
わたしはわたし、あなたはあなた。
<引用文献> リッキー・リビングストン著:吉福訳,聖なる愚か者ーゲシュタルトワークの新地平,星雲社,1989.