***ACという生きる力 連載エッセイ!

ACの力とは?:慈愛の力 ac-alive-028

家族という関係性の中で傷ついてしまったのは、あなたの失敗ではない。
不安定な家族の中で自分がなんとかしなくてはと身を挺してきた。
家族内に漂う不穏な状況を察して。
感じることを閉ざして、怒りを押し殺して。
良い子になり、勉強し、懸命に働いた先、将来に「安心」はあるものだと信じていた。

あなたは大人になって人間関係の支障や心身の不調で気がつかされる。
もう、へとへとにつかれていることを。でも、どうしてそうなってしまったのかわからない。繰り返し繰り返し。

友人たちはそうでもなさそうだ。同僚たちはそうでもなさそうだ。どうしてわたしは家に帰ると倒れ込むのだ?
ついぞわからずに混乱する。

もしかしたら、このような混乱はあなたの上の世代から続いていたのかも知れない。
戦後、祖父母の代、親らも問題を抱えていた。
それらを癒やさずにあなたにバトンを渡してしまったのかも知れない。
自分の幸せとは今、ここにはなく苦労した先にあるのだと。幸せになるには誰か他者のようにならなくてはいけないのだと。

祖父母や親、養育者をうらみたくなるだろう。
「私の人生をどうしてくれるのだ!」と。
残念ながら彼ら彼女らは自分らを癒やす方法を知らなかったのだろう。

この本を見つけたあなたは気づいている。「自分を知る」という旅の進路を。
あなたは受け取ったバトンをACというコンセプトを使って、自分の生きる力に変化させることができる人なのだ。そして、あなたはそれを愛する人や次の世代にわたすことができる人なのだ。

傷ついた自分の部分を探求することは簡単なことではない。しかしながら、あなたは、
「私とはどんな人なのだ?」と洞察する力を持っている。

「私はどうやったら安心していられるのだ?」
「わたしは大切な人を愛したい!」
「わたしは大切な人に愛されたい!」

自分自身を知れば知るほどあなたは自分自身につながり、その経過はあなたが他者に共感的につながる力を育む。そして、その力は周囲に伝播していく。
困難の体験をしてきた分、他者や世界に慈愛的なつながりを持つことのできるあなたは、自然界、世界に流る純粋で無垢な喜びや悲しみ、怒りや愛を得ることができる。

OK! 人生はタフかもしれないが、自分の愛するものとつながって生きていこう!と。
あなたのその姿勢は、今なお、家族由来の傷が痛み、その対処に翻弄されている人々に慈愛とレジリエンスを与えるユニークな存在となると言える
ACという自覚をつづけ自分を探求する道のりは、自分自身の慈愛的な側面に気がつくことを可能にし、他者とつながり、争いを無力化すると信じています。

2021.12

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