***ACという生きる力 連載エッセイ!

Ⅵ章:ACという生きる力 ac-alive-073  スティーヴ・ジョブス。

Co:さて、自分の専門家になる–ACという生きる力と言う、少しユニークなワークも終わりに近づいているけどいかがだったかな?
AC:いや~。もう、新鮮すぎて、まだ処理できていない事柄がたくさんあります。
Co:うん、勉強をするときの脳より、体験する脳のネットワークをたくさんつかったと思うよ。
AC:はい。なんだか、ぼーっとします。
Co:そのままでいいんだよ。最後に、自分の専門家になる道のりの意義について、すこし話して今回のワークをおしまいにしようと思う。

Co:もう誠に恐縮なのだが、例えば、スティーヴ・ジョブスが人生で感じた葛藤や苦しみと、私が感じている葛藤や苦しみとは量やそれらにともなう成果は圧倒的に大きく異なるね。
AC:はあ。(そりゃそうだ。)
Co:でもね。葛藤や苦しみの局面の「質」は、まったく同じなのかもしれないと感じた時に、私は全身の力が抜けたような気がしたんだ。
私は彼のようにはなれない。でも、彼が体験していることとなんら変わらない葛藤や苦しみを体験している。だから、もう憧れるのには十分で、この先は自分になればいいんだと。
AC:なになになに!難しくてわかりません。
Co:熱烈ファンである私の勝手な解釈なのだが、彼の人生は、両親の愛情を探す道のりであったといえる。その探究心と非凡な能力は、アップルコンピュータの創業、Mac、i-phoneとして昇華された。あなたには信じられないかもしれないが、アップル以前のコンピュータは操作が難解で黒い画面にコマンドを打ち込むスタイルだった。機械の箱で人間味などかけらもなかった。フォルダやファイルが画面にグラフィック表示され、それをクリックして開けるなんて、まさに鬼才の発明だと思う。コンピュータに愛着やヒューマンタッチを持ち込んだ仕事であったと言える。
AC:えーと、どのように「質」は同じ?
Co:あっごめん、つい話がそれてしまった。彼の詳細な生育歴などは書籍を参考にしてほしいのだが、彼の起業時代は天才肌でかつユニークで愛されキャラクターで派手な行動がおおかったものの、一方で、人間関係トラブルを頻繁に繰り返していた。たぶん、強烈に寂しく、強烈に愛情を欲していて、強烈な承認欲求を持っていたのだろう。
それらの強烈な動因が、人間の感触をコンピュータに統合させた発明につながったのではないか?
AC:うーん。すこしわかりました。ACだったということですね?
Co:そそ、そうだ。自分が誰なのかどんな人間なのか知りたかった。
AC:どっかで聞きましたね?
Co:あえて言うなら、彼の共依存は、他者の世話に邁進したのではなく、関係性への強烈な依存、商品の開発に挑んだ。それも、自分を失うほどに、いや、自分が誰なのか?自分とはどうすれば愛されるのか?と。結果的に友人や理解者を失う道のりがあった。
AC:うあー、どっかで聞いたー。
Co:うん、。ビジネスとしてサイズが無尽蔵と言えるぐらい大きかったために、狂気とも言える人生を歩んだかもしれない。
AC:Mac、I-phoneは世界中に広まりましたね。
Co:幸いなことに晩年には家族をつくり、そこにやすらぎを見つけることができたようだ。その物語りにファンとしてはとてもほっとする。

<引用:ジョブスの最後の言葉>
私はビジネスの世界で成功の頂点に君臨した。しかし、仕事をのぞくと喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、富など私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。
今やっと理解したことがある。
人生において十分にやっていけるだけの富を積み上げた後は、富とは関係のない他のことを追い求めた方が良い。
もっと大切な何か他のこと。
それは、人間関係や、芸術や、または若い頃からの夢かもしれない。
終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。
神は、誰もの心の中に、富みによってもたらされた幻想ではなく、
愛を感じさせるための「感覚」というものを与えてくださった。
私が勝ち得た富は、(私が死ぬ時に)一緒に持っていけるものではない。
私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。
あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、誰もが、いつか人生の幕を閉じる日がやってくる。あなたの家族のために愛情を大切にしてください。あなたのパートーナーのために、あなたの友人のために。
そして自分を丁寧に扱ってあげてください。他の人を大切にしてください。
—-
Co:つまり、何かを達成したら幸せになるのではないのだろう。彼ほどの達成ではないにしろ、私は自分自身が誰なのかわからず、母と言う人とはどこにいるのかと誰にも聞くことができずに、誰かに愛されたくて、他者の要請に応えるために突っ走っていきてきたけど。もう十分なのだ。恐ろしいぐらい寂しい人生を制御するための、意志の力への過信と行使を手放してもいいのだと。
私たち自身の内面に、愛を感じることのできる感覚があるのだ。ゆえに、幸せとは、常に、いま、ここにあるのだと。それを感じること。
AC:なんだかほっとします。
Co:うん。

 

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