特徴的なパーソナリティ構造 ac-alive-017

Co:ところで、「自分はACだからその治療をしてください」というと、医療者に煙たがられることがある。
AC:えーと、手こずるってこと?
Co:そうだね、誤解を恐れずに言うとね、例えば、繰り返す対人関係トラブル、自分を失うほどの共依存行動、感情の爆発、慢性的な不安などには投薬治療があまり有効に働かないことがある。(もちろん、緊急的な対処、症状の一定の鎮静化の必要などの際は投薬治療が必要だ。)
それで、薬が自分の役に立たないことが、医療者への不信となったり、指示を守らないなどの行動に繋がり、治療関係がうまくいかない事例が少なくない。
(斎藤学JUST記事、精神科の時間引用)

AC:う~ん、わかります。
Co:そこで、精神療法の出番なんだけど、専門的なトレーニングを積んでいるカウンセラーでないとカウンセリング関係も続かないことが多いんだ。
AC:そうなんですか。

Co:ヤーロムという治療者は、「パーソナリティの支障とは、親や養育者(親密な対象)との不適切な対人関係で形成され、対人関係の相互作用に伴う知覚と期待の歪からつくられたものであると言っている。(1991 アーヴィン・D・ヤーロム他 )
複雑で特徴的なパーソナリティ構造、例えば、境界例パーソナリティ、自己愛パーソナリティなどの支障とは対人関係において複雑な心的防衛機構として現れ、本人もつらいのだが、家族や周囲の人々もつらさにまきこまれることが少なくない。

例えば、カウンセラーを理想化して、「あなたは私のずっと探してきた理想の人だ」と言っていたかと思うと、「あなたは私のことを責めている!許せない!もう二度会わない」とこき下ろしたりと。
また、人間存在の曖昧さに喜びを見いだせず、白か黒のような思考にとらわれていて、自己像・感情の不安定さ、衝動性、慢性的な空虚、漫然とした不安感などが特徴として挙げられる。対人関係(自分との関係も含む)、共依存関係のトラブルを繰り返すが、それは、治療者やカウンセラーとの間でも頻繁に起こる。

AC:うあ、なんだか手がつけられない感じ。
Co:そうだね、自分の存在に関する強い不安がある。
AC:どうやって、カウンセリングするんですか?
Co:うん。親密な関係、例えば親や養護者との関係性に大きく傷ついて、対人関係に歪みが生じているわけだから、新しい関係性をつかって治療をしていくんだ。
AC:関係性?
Co:治療者、カウンセラーとの関係をつかって、親密な対象との関係性を「育て直す」んだ。長い時間かけて歪んだ対人関係パターンをあつかうためには、反復学習と体験的な「時間」の積み重ねがセラピー(治療)にはとても重要なんだ。
AC:へー。
Co:近年の研究では、専門医療者やカウンセラーらと専門的な関係性を築いて、時間の経過をみかたにつける取り組みは、自己の育て直し、パーソナリティの変容に有効であると報告がある。私の研究室だと、個人カウンセリングと集団心理療法(グループワーク)を併用して続ける実践をしている。
AC:ほー。

2020.8.1

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