Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション 傷ついた自己愛から共依存への自覚 ac-alive-036

さて、ここまで、子ども時代に体験した親密な人々との関係性の傷つきや歪みが、大人になった私たちの生活や仕事、人間関係に大きく影響をしていると話してきた。

不安定な家庭や親、養護者らの機嫌を取り込んでしまい、感情や身体感覚を閉じる。そうすることで、その場をやり過ごしてきた。自分のほんとうの感情や身体感覚を麻痺させて。
大人になったいま、自分の感情や身体感覚がわからない状態に陥っている。
大人とは、自分の感情や身体のケアを自分で行う必要があるのだが、
自分がいまどんな状態で、どんな人間関係、情緒の支えが必要で、どのような健康へのケアが必要なのかわからず、親密な他者とどのような愛情の交流をしていいのかわからない。例えば、お酒を飲んで食事をしたり、ただのセックスは可能だが。 自分のケアがわからない、と、

他者や世界のケアに邁進してしまうだろう。そうしないと自分の存在を確認することができないからだ。自分を失うほど他者の世話に繰り返し邁進してしまう共依存関係ができあがる。
家族という親密な関係の中で健康な自己愛が育む機会がスキップしてしまった自己愛の損傷という状態にあるのだろう。
傷ついた自己愛の傷や痛みをほっておくと、年齢にともなった対人関係の変化とともに肥大してしまうかもしれない。年齢を重ねるとは、周囲がより高度な対人関係を要求するからだ。
自己を愛することが難しい状態では、意識がより他者に向き、他社に尽くしてします共依存行動に拍車がかかるかもしれない。あるいは、はんたいに、自己の内面に籠もり他者との交流を閉ざしてしまうかも知れない。

AC:うあー、自己愛の損傷? が共依存に?
Co:そうだね。この2つの用語は、ACもそうだけど診断名ではないんだ。だから一般的にはあまり話題にならないし医療機関でもありつかうことが少ない。ということは、クライアントさんの悩みや苦しみ、生活や仕事への支障は、理解され共感される機会が少ないと。そうすると、セラピーやケアの対象になる機会が少ないと言えるだろう?
お薬が効きにくいし、カウンセリングやグループワークは保険医療の点数に加算されにくい性質を持っている。
AC:なるほど、だから、私は、えー私たちはたいへんだった?
Co:そう。対象にならない。
AC:うえ~。
Co:ACの力を肯定するためのキーワードのひとつとして、傷ついた自己愛、共依存を話してきた。さらにくわえて、次に神経生物学的なトラウマ反応、身体感覚についての自覚について話そうと思う。
AC:うあー、トラウマ反応? なんか怖そうです。
Co:いや、そんなことはないよ。生きている人間としての自然な反応のことだからね。

2020.8.28

関連記事

  1. Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション 変化、回復の多様性 ac-aliv…

  2. この本の目的は? ac-alive-004

  3. Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-045 コンセプト…

  4. ACの力とは?:戦争を無力化する力 ac-alive-027

  5. ACの力とは?:夢を見る力 ac-alive-025

  6. 自分の専門家になるとは? ac-alive-007

  7. Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション 「私」について語りなおす ac-a…

  8. Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-046 コンセプト…