Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-055   限界設定を味わう。

Co:例えば、現在の科学の理解では、私たちの身体はおおよそ150年ぐらいの生物学的な期限が設定されていると言っていいだろう、病気などがなければだが。
また、その範囲内で仕事をしたりあれこれできる時間は100年余りだろうか。
仮にその期限を肉体的な「死」と呼んで見ると、
「死」があるから、私たちは「生」を抱合して享受し受け取ることができると気づく。
AC:・・・もう少し具体的にお願いします。
Co:うん、。もし、あなたはいつまでも死なないとしたら?
AC:えー、楽です。
Co:そうかな?どのように楽?
AC:だって、あせってACの悩みを回復しようとすることもないし(笑)、仕事や人間関係もどうでもよくなるし、ぼーっとしていればいいじゃないですか?
Co:うんうん、そうだね。でも、それだと生きてる意味を感じることができるだろうか?
AC:うーん、死なないとしたら、ですよね?
うーん、あれっ、生きてないってこと?
Co:うん。私たちは、「死」を敬うから、「生」を感じられるのかもしれない。もし、「死」がないとすると、私たちには怒りや悲しみ、喜びなどの人生を体験できないかもしれない。
カウンセリングの用語に「限界設定」という言葉があるんだが、これは、これ以上できない!という意味ではなくて、時間や命の流れに枠組みや範囲を設定するという意味なんだ。
AC:へー。どうやって使うのですか?
Co:カウンセリングやワークを通して、「目指す治療的な変化」を設定するということだ。簡単なところから言うと、たとえば、週に1回カウンセリング、月に2回グループワークを体験して、◯年◯月までに、このような自分自身に成っている。というような設定だね。
AC:なるほど、目標のようなもの?
Co:そうだね、仮の目標を設定して、それに向かうように枠組みを設定する。そして、この「治療的な変化」とは、いつでも修正変更されていくものなんだ。
AC:へー。
Co:カウンセリング、ワークが進んでくると、これまでの反動で、前回話した自己愛の肥大や愛他主義が大きくなりすぎることがあるんだ。例えば、過去の自分のような人々を助けたいと強く思い、臨床心理学を学ぶ専門家になろうとする。おれか(笑い)
この心の動きはとても自然な流れで尊い動機があるのだが、反動が大きく行き過ぎてしまうことあある。前の章で書いたように、臨床心理学とは一人の人生がいくつあっても学びきれないほどの質と種類と量がある。限界設定を設定しないとすると、すべての理論を習得しないといけないと思いこんでしまい、結果、経済社会生活に支障を抱えたり、心身を傷つけるほどのめり込んでしまうかもしれない。
また、日本各地あるいは世界中のボランテイア活動に傾倒してしまい自分を失ってしまうこともあるかもしれない。
AC:自分のできる範囲、領域を決めるということですか?
Co:うん、自分を縛るということではなくて、自分の生きる領域や費やす時間を概ね設定しておくということだ。自己愛の肥大した理想や衝動に翻弄されないように。
AC:難しそうですが、。
Co:そんなことはないと思う。だから、自分の専門家になるんだ。自分を知れば知るほど、やってみたいけどやめておこうと思うこと、うまくできないかもしれないけど、すくなくとも自分らしく楽しくできること、残された人生をそうやって生きようと思えることがわかってくる。
AC:へー、なんとなくわかりました。
Co:自分の専門家になる冒険は、この自己愛と愛他主義の肥大を通過するのだろう、このジレンマや無力感をじっくり体験していくことは、自分の人生に謙虚にむきあい、自分と他者に敬意と慈愛を持つことを可能にする。

秋の気配のする朝、身体が信じられないほど疲れていることに気づく。
起きぬけに、サンダルを履いてビーチへ歩く。

これまで私はさみしさを興奮させること、興奮するアイディアで上書きしてきたと気がついている。興奮していると何かやった気になるが、どれほど多く大きく興奮してもさみしさはなくならないとうすうす気がついていた。けれども、興奮で麻痺させていれば、すくなくとも、生きていると思えていたのだろう。

さみしさを興奮でスリカエてると、浮上してくる感情や身体の随意的なしくみや自律神経を混乱させるのだろう。
眠れないよる。身体の痛みや不調。とぎれることのないあせり。さらに、
さみしさをスリカエ続け、まもなくすると、身体には病気というシグナルが声をあげるだろう。

よく会うけれど名前を知らない知人、サーファーらに会い、おはよーございますと交わす言葉に救われた気持ちになる。さみしさを十分に味わっていいのだと気づく。

このままどこにもいかなくてもいのだろうか?
ここにいるだけでいいのだろうか?
このままでいいのだろうか?と問うてみる。

突っ走るように生きてきた。とくに、身体を無視して、。
とにもかくにも今日は、よい天気だし、
どこにも行かなくていい旅の中日のように、自分のペースで一日をはじめようと思っている。

2020.10.5

 

 

 

関連記事

  1. ACの力とは?:身体症状の力 ac-alive-024

  2. ACの力とは?:夢を見る力 ac-alive-025

  3. 自分の専門家になるとは? ac-alive-007

  4. Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-059 ほんとうの…

  5. Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション ac-alive-029

  6. Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション 家族トラウマ反応に自覚を向ける a…

  7. Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-047 コンセプト…

  8. アダルト・チルドレン(AC)とは? ac-alive-006