家族とAC研究室ではアダルト・チルドレン(AC)という言葉を、自分とはどのような人なのか?と自身を探求するためのひとつのコンセプトとしてカウンセリング、ワークにつかいます。
アダルト・チルドレン(AC)とは、機能が不全だった家族、養育環境で過ごした人々です。それらには虐待やネグレクトなど目に見ることのできる状態に加えて、目に見えにくい傷つき体験が含まれます。家族などの親密な情緒間で起こる関係性に特徴があり、人々は子供時代にその中で生き延びるためにさまざまな防衛、防衛機構を身につけます。そして、それらのおおくは、「愛情と関心」を得ることに関連します。
たとえば、親や養育者からの過干渉、無関心、誤用、主体の搾取などの長期反復的な傷つき体験は、目に見えにくものですがとてもシリアスなダメージとして挙げられます。
無条件な愛情や関心、情緒交流を必要としている子供は、それらが得られないとき、おおきく傷つきますが、子供は「愛情や関心を得られないのは、ぼくがいけない子だからだ」と、親や養護者との関係を守ろうとして、それらを自分の内面に取り込みます。
「お父さんとお母さんの仲が悪いのはぼくのせいなんだ」
「ぼくが傷つていることが家族の外にバレるとたいへんだ}
「見捨てられ不安」
子どもにとって「見捨てられる」ことは、「個体の死」にあたります。
そのため、取り込み、否認、抑圧、置き換え、解離、投影、投影同一視、理想化と価値下げなどの原始的な防衛機構を身に着けます。生き延びるために。
しかしながら、生き延びるために身に着けた防衛メカニズムは、大人になるにつれ不要になるのですが、自分を長年守ってきた洋服や技をそうかんたんに脱ぎ捨てることはできませんね。
それらが大人になって、対人関係の支障、依存症、身体症状などの「生きづらさ」となって表面化してきます。
家族トラウマの後遺症と呼んでもいでしょう。
こういった支障は、生活や仕事、対人関係に著しい影響を与えますが、そのケアの受け皿として、医療機関にはあてはまりにくいし、教育機関では、たちうちできないし、自己啓発では、個人の個性を見失うこともあるかもしれません。
私たち専門家、臨床心理士、セラピストにとっては、先人の研究を探るために共通言語が必要になります。
ACの支障を精神医学的な視点から探求する言葉として、複雑性PTSD、家族トラウマ後遺症、境界例パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、心身症、不眠などを軸として研究することがあります。医療者や他の専門家と学術論文等で共通認識をシェアする際に有効となります。
衝動的な感情、感情抑制、自己愛の損傷、主体の損傷、慢性身体症状、断片的な自己規定、解離、離人感などがキーワードとなります。
アダルト・チルドレン(AC)個人カウンセリング
アダルト・チルドレンカウンセリングの臨床的な戦略と推移
論文:「アダルト・チルドレン(AC)を対象としたゲシュタルト療法の臨床的な拡張事例」
日本家族と子どもセラピスト学会誌 第17号 12.20
アダルト・チルドレンのためのグループワーク(集団心理療法)、ゲシュタルト療法、プロセスワーク
統合的グループワーク研究会