***ACという生きる力 連載エッセイ!

Ⅴ章:自分の専門家になるためのエクササイズ ac-alive-061 共依存、悩み、困難とは目的を持った状態、流れと捉える。

Co:ここからはワークについて話していくよ。ワークとは身体こころから発せられるシグナルに意識を向け係わっていくプロセスです。 <アーノルド&エイミーミンデル 富見幸雄・青木聡訳(1999)うしろ向きに馬に乗る プロセスワークの理論と実践 春秋社>

Co:ACという生きる力を見出すワークとは、自己愛の損傷、 共依存、心身症、複雑性PTSD、ACという概念をたんに治癒すべき問題ととどめずに、ある目的を持った状態、あるいは、自身の精神的成長の道のりととらえるんだ。
AC:うーん、症状が解消するだけでは足りないの?
Co:自分や他人を傷つけるような行動や毎日の生活に支障がある症状などはさっさと無くしたほうが良い。それに加えて、もし、望むなら「自分の課題をワークをする」という視点をつかうことで、自分の人生についてのかかわり方に取り組むことができる。
AC:どういうこと?
Co:うん、例えばこれまで、繰り返してきた症状や対人関係トラブルについて継続してワークをすることができれば、あなたの今後の人生の栄養になる気づき、例えば、あなたらしい愛や喜びなどの自分の生きる力を得ることができるだろう。それらの体験は、まちがいなく、あなたの精神的変化、成長につながると言っていいだろう。
AC:うーん、どうしてそのような取り組みが必要なんでしょう?
Co:自分の探求がすすんでいくと、過去の傷つきが癒やしを求めて浮上してくるんだ。自己治癒の課題として。あなたは生き延びるために力を行使してきた。その反面、子ども時代に自然に育まれるはずの感情をいくつもスキップしてきたかもしれない。
AC:スキップ?
Co:生き延びるために必死であったがゆえに、子供らしい洋服(身体感覚、感情)の手入れをスキップして生きてきた。
AC:はー。そっか、あの頃、大人の衣装を着なければ、生きていけなかった?
Co:うん、幹が細いままに枝葉をあちこちに伸ばさざるを得なかった。とってつけたような大人の洋服を着ながら。
AC:・・・痛々しいですね。
Co:大人になったいま手足は伸びているけど十分に栄養がいきわたっていない、いつも限られた自分の一部分、断片しか使えていない状態。
AC:ふむ。
Co:スキップされた感情や身体感覚には、あなたにとって大事な栄養が含まれていた。
AC:例えば?
Co:怒りと自分のままに愛されること、愛すること。
AC:ふむふむ。
Co:幹に栄養を与えながら、できれば枝葉の全体を味わってみるんだ。そこには子ども時代にスキップされた、まだ出会っていない自分の力がひそんでいるだろう。ワークとは自分の全体性に気づきをむけ、自分の多様性に気づくための道のりとなる。
AC:ほー。
Co:ワークを通して犠牲者という人生から、自分の人生に敬意を持ち、自らが自分の人生を育て直す、デザインし直す、再構築する、物語の再編集することに取り組むことができる。自分の人生を自分だけのアート作品に仕上げるために。
AC:へー、アート作品!なんだか、嬉しくなってきました。
Co:うむ。少しづつ取り組んでみよう。

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