AC:さっきは矢継ぎ早に質問をしてしまってごめんなさい。
Co:いえいえ。
AC:あの、今日は1Dayセッションよろしくお願いいたします。
Co:こちらこそよろしくお願いします。
AC:とにかく、もう、どうしたらいいのかわからなくて、。
Co:これまでほんとによくがんばったんだね。それから、私を見つけてくれてありがとう。
AC:えっ?
Co:これから、これまであなたが生き延びてきた力とはどんな力なのかをいっしょに見つけて行こうと思う。
AC:は、はい。
クライアントさんはだいたい戸惑うことが多い。なぜなら、このカウンセラーは、ACとは生きる力であるという肯定的な仮説を持っているのだ。クライアントが持ち込んでくる悩みや問題のおおくは、彼ら彼女らが自分自身の人生を生きていないことを気づかせてくれるために発現しているものだと言う視点を持っているのだ。だから、最初に話される悩みや課題に対処しながらも、背景にある彼女の生き延びてきた力の探求と発見に焦点をあてていく。
Co:いま、どんな自分に気がついているのかな?
AC:えー。あのー、実は混乱しています。これまでのカウンセリングだとだいたい、最初に生育歴を聞かれたり、両親のことを話さなくてはいけなかったり、。
Co:うん。もちろん、必要があれば聞くよ。
AC:えー、。じゃあ、まず、ACとは何か知りたい自分がいます。
Co:うん。それじゃ、そこからね。たぶん、ずっと混乱してきたのかも知れないね?
AC:はい、。実は、なんかすこし怒ってます。これまで、答えてもらえなかったことがおおかったし、聞いてももらえませんでした。
Co:あはは。そうかもね。
AC:なんで笑うんですか?(怒)
Co:ごめん、ごめん。このあと、いろいろでてくると思うけど、ACとは精神疾患の分類や診断基準ではないんだ。そのため、研究論文や文献に用語が出てくることが少ないし、例えば、家族トラウマについても治療的に向き合っている精神科医、カウンセラーも多くはないと言える。最近、学校でのいじめや児童虐待などへの行政機関の対応がニュースで報じられる度に、私はひどくやりきれない気持ちになるよ。
AC:はい、ほんとにそう思います。なんで、いつも、同じことをくりかえしているんだと強い怒りが湧きます。
2021.6