ACの力とは?:不安な状況で生き延びる力 ac-alive-022

子どもの時代に塞いでいた感情、例えば、「不安」は当時と似たような状況や仕事や生活で大きなストレスがかかったときなどに浮上してくるだろう。
あなたは不安の浮上にオリジナルのスキルで防衛してきた。
不安の浮上をコントロールするために、例えば、自分を傷つける人間関係を続ける、倒れるまで仕事をする、ハードなトレーニングをする、スマホで情報を探し続けるなど。
「不安」の浮上を現実的な他の「不安」で上塗りをしてスリカエようとそれらに夢中になる。不安に対処するために「興奮」という感情にのめりこむ。
そうすると、いっとき、「不安」の浮上を感じなくて済む。
でもオリジナルのスキルは、子ども時代を生き延びるためには有効であったが、大人が健全な仕事や生活との関係をとろうとするときにうまくいかない。
あなたが危険な状況、興奮に引き寄せられると知ったのはいつごろだろう?

Co:不安を興奮で打ち消すようなやりかたは親密な人間関係を築くことは難しいね。
AC:なんだかずっとはしゃいでなくちゃいけないような。
Co:ポジティブ~、テンションあがる~、アゲアゲ~(笑)そんなことばかりに人生の喜びがあるはずがない。仕事依存、共依存関係、過剰なセックス、お金の浪費など。
うすうす気づくのだがこのようにするしかやりかたを知らない。不安を興奮で上書きしないで、誰かとつながり生きていけるのだろうか?と。
それでますます、興奮にのめりこみ、たいへんな状況になればなるほど燃えていく!
AC:あぶなーい。

困難の中でなんとかやっていく自分、切迫した状態をくぐり抜けていくことに「生きてる!」を実感し「居場所」をみつけていたのかも知れない。
大人になったあなたは、あの頃とは違い自分の存在が少しはわかりかけてきたり、欠点のある自分や失敗を世話をしたりできる。
もはや、危ない状況に飛び込んで興奮を味わう必要はない。
でも、そうすると「不安」が浮上する、
「人の役に立たなくていいのだろうか?」
「誰かを助けなくても生きていていいのだろうか?」
「生きていていいの?」
これらに素手でシラフで向き合わなくてはいけなくなる。
まるで、戦争が終わったのに、使い慣れたマシンガンを手放せない兵士。

AC:もう必要ないのに?
Co:必要のないのに気がついているが、手放すことに抵抗がある。北風と太陽だね。
AC:雨風がやんで、お日様が出てきたのに。

この時期のカウンセリングでは次のような言葉で語られる。
「どうしたらいいのかわからない」
「何もかもいやになった」
「空虚だ」
「さみしくて死にそうだ」

無理もないのだ。逆説的だけど、あなたは浮上してくる「不安」=ほんとうの自分への入り口=を避けようとして、偽りの自分をつくってきた。そうやって生き延びてきた。もしそれができなかったとすれば、準備ができていないうちに「不安」に飲み込まれていたかもしれないのだ。

AC:この期間を過ごすにはどうすれば?
Co:うん、この期間はカウンセリングがひとつの折り返し地点にきたことを意味する。これまで共に取り組んできたカウンセラーやグループの仲間らと、ここまでよくがんばった自分を褒め、支え合い、共感という栄養を充填するんだ。
「どうしていいかわからない」というような空白は、ほんとうの「自分」に変化するための新たなスペースなのだ。この新たな空白を「自分のもの」で埋めていくんだ。

カウンセラーは次のような「新しい自己」の言葉の出現に耳をダンボにしている。
「なんか、ばかばかしくてもうどうでもいい」
「アホくさいです」
「もう、戦うのは十分だと自分に言いたい!」

不安な状況で生き延びる力とは、自分を保護する力に変化する。そして、それは大切な人を守る力に変化していく。

2020.8.7

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