Ⅳ章:「自分の専門家」になる冒険 ac-alive-058  私自身であることは心底ほっとする。

Co:サラリーマン時代、企画営業という仕事をしていたんだ。
AC:かっこよさげ。もしかしてスーツ着てた?
Co:あはは、そうだねネクタイをしてた。実際は問題解決うけおい営業なんだ。(笑)
AC:そうなの?
Co:企画やアイディアってそれだけだとなかなか仕事にならないんだ。クライアントから受注する“仕事”になってはじめて仕事になるんだ。だから、常に他者、企業の問題解決への企画やアイディアの提案が必要になる。
AC:なるほど。
Co:でも、いつも他者(企業)の問題解決が仕事だから、どれだけやってもいつまでたっても自分の「もの」にならないような歯がゆい思いがしていた。周囲にいるデザイナーとか設計者とかを羨ましく思ったよ。
AC:へー。
Co:彼らは仕事になった案件を受注するから、待っていればいい。と
AC:あー、企画営業って、他者や企業に、問題の解決策の企画やアイディアを提案して、受け入れられて、はじめて仕事?
Co:そう。でも、だいたい、提案とは異議を申し立てられるものなんだ。だって現状を変えようとするわけだから。
AC:うあー、たいへんだ。

Co:私にとって自分の専門家になる冒険とは、開業カウンセラーとしてどう生きるのかの冒険であった。いまでは、開業して10年になるが、毎年学会のシーズンには、演題発表のための抄録を書いたり、スライドをつくったりすることを通して自分のやってきた臨床を振り返る作業が楽しみとなっている。

——-
だいぶ、AC、複雑性PTSD、ボーダーライン構造に向き合ってきたと思う。それは、自分を知りたいという動機が背景にあるからだが。
うまくいった事例、うまくいかなかった事例を先人の文献などを通して臨床的に振り返る。人間を理解しようとする試みの奥の深さ、幅の広さ、多様性なあり方について無力感をじっくり味わう。複雑性PTSDの支障と社会の影、家族の影などとの相対性との取り組みを通して人間存在の意義について学びを得る。また、現在の日本においては、個人開業した心理相談室の経営とはかんたんに成立する営みと言えるものではない。
——-
でも、これらの仕事や取り組みは、しんどいこともある、投げ出したくなることもある、眠れなくなることもある。でも、すくなくとも、私自身が望んで、楽しんだり、頭を痛めたりしている「私自身のものである」と感じることは、他人にならなくていいと思える。この事実と感覚は心底私をほっとさせている。

AC:他人にならなくていい?
Co:そうだ。私たちは、自分自身にはなることができるだろう。その道程もかんたんではないし、迷い、茨の道になることあるが、。他人にはなることができない。
率直に、笑ったり、泣いたりして、かろうじて自分自身を見つけることができるのだろう。

2020.10.9

 

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