Ⅲ章:ACの力を肯定するセッション ac-alive-040  オープンなダイヤローグ 

Co:育ったきた環境で学んでしまった不適切な関係の歪み、傷つき体験が、後の対人関係におおきく影響すると話してきた。
AC:はい。もう家から独立しているし、大人だし、関係ないと思ってました。
Co:うん、そうなんだ、対人関係でつらい思いを繰り返すと、最初は相手のせいにすることもあるけど、自分を責めるようになることもある。
AC:なんだか、私が特別に悪いのだと?
Co:うん、誰にも言えなくてひとりで抱え込んでしまう。そうすると、頭の中でぐるぐると考えてしまうね。私が悪いのか、いやいや、あいつがわるいんだ。いや、やっぱしわたしか?と、ひとりの戦争になる。
AC:はい、ひとりで不安なときや落ち込んだときとかよく、そうなります。
Co:それはだいたいネガティブな方向にすすむ。
AC:・・・死んでしまいたくなります。
Co:うん、生物学的には自然なことなんだそうだ。
個体にとってモノローグ(ひとりの語り)は、妄想がどんどんすすむため危険なので、ネガティブな方向にすすんで終わらせようとするのかも知れない。
AC:怖いですね。
Co:うん、だから、困難を一人で抱えることはあまり健康上良くないよと言いたいだけなんだ。(笑)
AC:でも、誰にでも話せるというわけでもないし、、、。
Co:そうだね、安全じゃないね。
最近、精神療法の世界でオープンダイヤローグという革新的なコンセプトが検証を進められている。フィンランドで家族療法を専門とする臨床心理士を中心として統合失調症患者に行われていた集団治療のとりくみなんだ。1980年代から成果をあげていて、すでにかなりのエビデンス(医学的根拠)がある。
オープンダイヤローグとは、「開かれた対話」を枠組みとした治療法です。でも、対話は手段ではなく、対話自体を目的とします。治癒は副産物と捉えている。
これまで、長い間の先人の仕事、家族療法、精神療法、グループセラピー、ケースワークなどの他領域にわたる知見が統合されている。
私は、幸運なことに実習生時代にそれらを体現していた指導者のもとでトレーニングを積むことができた。
だから、ACの自覚あるなしにかかわらず、クライアントさんとの取り組みには、個人セッションと同時にグループでのカウンセリング、ワークを提示している。
AC:へーそうだったんですか。でも、なかなか、カウンセリングやワークににつながることは難しいと思います。最初は、どこに行ったらいいのか全然わかりません。
Co:うん、そうだね。いま、私は地元のコミュニテイ施設で、オープンミーティングという枠組に取り組んでいる。カウンセリングは、どうも、行きたくない、カウンセラーってあやしい(笑)と思われている方や、家族に引きこもりや不登校がいらっしゃるという方などに、気軽に参加してほしいと願っている。
地域のメンタルヘルスケア予防に貢献できればと。
AC:へー。
Co:ひとりで抱え込まないでシェア(分かち合い)を体験したり、安全な場所でのダイヤローグ(対話)の機会にしてもらえれば嬉しい。

<参考文献> 斎藤環:オープンダイヤローグとは何か,医学書院,2015

2020.9.2

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