***ACという生きる力 連載エッセイ!

ACの生きる力 この本の目的は? ac-alive-004

家族や社会の期待や要請に応えようとするがあまり、結果的に自分自身を失い、悩み苦しみ続ける人生から、「ACという生きる力」の自覚を通して、「自分の専門家」になる冒険を楽しむヒントを分かち合うことにある。

「自分の専門家になる」とは、他人になろうとして苦しむことから開放され、他者の人生ではなく、自分の人生を引き受けて生きる道を開くのです。

 この本は、ACの自覚あるなしにかかわらず以下のような人たちに書かれている。

・批判されたり愛されていないように感じ、人間関係につまづいてしまう。
・怒りや悲しみ、強い孤独を感じている
・生きづらさを感じている。
・家庭や学校、職場に違和感があり、転職などをくりかえしてしまう。
・他者のようになろうとして、良い人になろうとして疲れはてている。
・なんども自己啓発セミナーにはまってしまう。

あなたも感じているのだと思うが、現代社会には他人の目を獲得することに評価の基準があるのかも知れない。他人と同じように、または他人よりも幸せにならなくてはいけない「プレッシャー」は、ありのまま自分自身で居ることに苦痛を感じさせるかもしれない。いつでもどこでの刹那的な成功に価値を見出そうとする。

この本を創ろうと思ったきっかけは?

クライアントさんらが自身の理解や生きずらさの探求に取り組む姿勢と勇気に、カウンセラーの私が心底、感銘を受けたことだった。
彼ら彼女らはACの自覚あるなしにかかわらず、対人関係や自身の存在、感情の問題に苦闘していたのと同時に、これまで生き延びてきた無垢で純粋な「生きる力」を持っていた。

「他人のために生きるなんてもうまっぴらだ!」
「私はなんのために生まれてきたのだ?」
「私が私であるために、残りの人生をどのように生きていけばいいのだろう?」

数十年に及ぶ 構造的な不況を背景として、経済的な効率や生産性におもきを置いてきた。その過程においては、非効率な個別性は排除され切り捨てるものとされてきた。
こころの成長の時代と言われながらも、経済成長に寄与する効率や生産性をおびやかす、例えば、悩みやうつ、身体症状などは、治すもの、取り除くものという概念が主流であった。「早く治して学校や職場に復帰させる」解決指向の援助は、「問題」をあなたに押し付けて「あなたの問題」を治そうとするあまり、あなた自身の個別性を排除してしまう傾向にあるかも知れない。
皆が同じようにポジティブでいなくてはいけない
キラキラでなくてはいけない
インスタ映えしてなくてはいけない
いいねが多くなくてはいけないなどという、監視、プレッシャーが蔓延している。
とても息苦しい。あなたにもご経験があるかもしれない。ひどい気持ちになる。

自分自身の育て直しのヒントとは?

この本では、繰り返す対人関係のトラブルや身体症状、さまざまな依存症の状態とは、たんに治癒されるものではなく、本来のあなた自身に近づくことのできる課題なのあると書かれている。つまり、簡単に言ってしまうと、自分自身の育て直しのヒントが書かれている。あなたを、ACという「生きる力」の自覚をつかった「自分の専門家になる」冒険にお誘いしたいのです。
ACの生きる力とはどういうものなのか?
自分の専門家になるとはどういったことなのか?
私の実践事例やあなたがひとりでできるエキササイズなども用意した。
早速、あなたと分かち合いたい。

参考文献 1)White & Epston:共著,小森訳,物語としての家族,1992.

2021.6

Pexels / Pixabay

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